2009年12月05日

人とロボットの秘密

堀田純司著 オススメ度☆☆☆☆☆

表紙がマンガなのでロボット萌え〜的な本なのかなと思ったら、超真面目な本で驚かされました。
ロボット開発者だけでなく、哲学者・神経学者・経験論者など幅広い分野の学者の説を裏付けに話が展開され、ロボット開発は「人間を知る」言わば哲学的な行為だということが分かりました。

抜粋
【ここから】
人間は自分の行動を意識しているが、自分をそれへ決定する原因は知らぬゆえに、自分を自由だと信じているということを教えてくれる(スピノザ)

一般的には感情がまず起こって、つぎに情動という体の反応が生まれると考えられがちだが、実は逆。悲しいから泣くのではなく、泣くから悲しく思える。(アントニオ・R・ダマシオ)

肉体に対する心が人間を司っているのではなく、心も体も同じものの異なる表現でしかなく、自分の体の営みと、世界との相互作用のすべてが自分の意志である(スピノザ)

人間とは、思いもつかぬ速さで次々と継起し、たえず変化し、動き続けるさまざまな知覚の束あるいは集合に他ならぬ(デイビット・ヒューム)


・人間を運営し、そのふるまいを決定しているのは、体の中で様々なタスクを反射的に行なっている機能の集積。いわば各自が反射的にタスクをこなす無数の小人による集団の合議制。

人の個性とは体内の小人たちの結合のあり方であり、経験によって小人のあり方が変わり、意識のユニークさにつながる。
【ここまで、同じ内容の言い換えに近いですが、理解するのに非常に抵抗感を覚えると思われる概念なので羅列します。】


・キュービック・ニューラル・ネットワークとは階層的な抽象次元を自由に行き来して情報を扱う技術。情報がおかしくなり、違和感を感じ始めると、どんどん精密であっても適用範囲の狭い情報を捨てて制御するシステム。


・ロボットを人に似せるためには、「人間らしさとは何か?その原理」を見つけることが必要
・人間は弱い体を持っていて、怪我や死を恐れて生きているから人間らしい心を持つ
・ロボット開発のひとつの方向性:なにか単純なものを生み出して、それを環境の中において学習させる

・日本人がロボット好きなのは敗戦時の技術力への圧倒的な敗北感から?
・からくり人形の動力は、主にくじらのひげを使ったぜんまい

DNA解析もそうですが、ロボット開発も「人間を知ろう」という壮大な謎への挑戦につながっていると分かり、ますます興味が湧いてきました。


posted by けん at 18:54| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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